「3歳になったばかりのGW明け。 あんなにお喋りが大好きだった息子の話し方が、急に気になり始めました。
『ぼ、ぼ、ぼ、ぼくがね……』
最初の言葉を連発するその姿に、私の心はざわつきました。 私は元保育士です。仕事柄、吃音(きつおん)があるお子さんとは何人も出会ってきました。 成長とともに自然と治っていくケースがほとんどであることも、知識としては知っていました。3years-old-kitsuon-recovery最初の言葉を連発するその姿に、私の心はざわつきました。 私は元保育士です。仕事柄、吃音(きつおん)があるお子さんとは何人も出会ってきました。 成長とともに自然と治っていくケースがほとんどであることも、知識としては知っていました。
でも、自分の子となると、話は別でした。
あんなに上手にお喋りしていた息子が、言葉を詰まらせ、苦しそうにしている。 『私のせいかな?』 原因不明とわかっていても、自分の育児や、バタバタしていた引越し準備の雰囲気が影響したのではないかと、自分を責める日々が始まりました。
進級、そして他県への引越し
環境の変化は重なっていました。 保育園での進級による登園渋り。そして翌月に控えた、東京から群馬県への引越し。
保健所に相談すると、 「話し方よりも、話している内容に注目してあげてください。最後まで聞くことが大切です」 と助言をいただきました。
先回りして言葉を奪いたい気持ちを必死に抑え、最後まで話を聞く。 連発(ぼぼぼく)や伸発(ぼーーーく)が見られたり、少し改善したり。 症状には、波がありました。

どん底だった「難発」の時期
一番ひどかったのは、引越し後でした。 新しい家、新しい街、新しい幼稚園。 息子にとって、これ以上のストレスはなかったと思います。
毎日泣きながら登園する息子。 吃音はどんどん悪化し、ついには「難発(なんぱつ)」の症状が出始めました。
最初の言葉が出てこない。 顔に力が入り、真っ赤になりながら、顔をゆがめて声を絞り出す。 「難しいなぁ……」 ぽろっと漏らした息子の本音に、私の涙は止まりませんでした。
追い打ちをかけるように、夫からは「怒りすぎなんじゃないか?」と責められ、私は育児への自信を完全に失いました。
完璧を捨てて「ありのまま」を受け入れた
「もう、幼稚園や街に慣れてもらうしかない。私は、家を世界一安心できる場所にしよう」
そう決めました。 休日は息子のしたいことを思い切りさせ、寝る時は力一杯抱きしめる。 治そうとするのをやめ、ありのままの息子を受け入れることに全振りしました。
息子はやがて、言葉が出そうになると「ジャンプ」をしてリズムを取るようになりました。自分なりに、一生懸命タイミングを掴もうとしたのかもしれません。

「そういえば、最近出ないね」
不思議なことに、気づくと症状は消えていました。 幼稚園に転園して数ヶ月。登園渋りがなくなり、友達の名前が嬉しそうに飛び出すようになった頃です。
「そういえば最近、吃音がなくなったね」 夫のその言葉に、「そうだね!すっかり忘れてたね!」と笑い合える日が、ようやく来たのです。
今、悩んでいるママへ
吃音を聞いていると、つい「ちゃんと話して」と言いたくなるかもしれません。 でも、大切なのは治そうとすることではなく、楽しく伝え合うこと、そしてママ自身が深呼吸できる環境を作ること。
音楽で改善することも?
保育士時代、吃音があるお子さんが音楽の習い事を始めたことで、みるみる表情が明るくなり、言葉の詰まりが和らいでいくお子さんがいました。
言葉で伝えようとすると焦ってしまう子も、リズムに乗せると心が解放される。その不思議な力を知っているからこそ、当時息子の習い事にも検討していました。
私はオンライン音楽スクールに注目していました。理由は3つ。
- 「歌う時、吃音は出にくい」という特性 保育の現場でも見てきましたが、普段言葉に詰まる子でも、メロディに乗せると驚くほどスラスラと声が出ることがあります。ボイストレーニングやピアノを通じて「声が出る喜び」を味わうことは、失いかけた自信を取り戻すきっかけになります。
- 「外の世界」と繋がる、一番ハードルの低い窓 新しい幼稚園に馴染めず泣いていた息子を、さらに別の「教室」へ連れて行く勇気は私にはありませんでした。でも、自宅のパソコン越しなら、親子でリラックスしたまま、優しい先生と繋がることができます。
- 現役プロ演奏家やネイティブ講師と英語でピアノ・ボーカルレッスンを受ける 今の時代、ただ音楽を習うだけでなく、ネイティブの講師の方から「英語」でレッスンを受ける選択肢があることに驚きました。言葉に詰まって悩んでいる時期だからこそ、英語や、プロの演奏家の感性に触れることは、全く新しい「世界」を見せるきっかけになるはずです。

(音楽を通じて、お子さまの個性が自由に羽ばたけますように。)


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