高崎市に引っ越し、3歳の息子が保育園から幼稚園に転園したあの時のこと。 今思い出しても、胸の奥がぎゅっと痛くなります。
新しい環境に慣れるまで、息子にはとにかく時間が必要でした。 未満児クラスの夏頃に入園した息子は、朝「行きたくない」と言いながらも、決して泣き叫ぶことはなく、時間になれば園バスに乗る子でした。
でも、朝起きてからバスに乗るまでの間、彼はいつも私に訴えていました。 「ママ、行きたくないよ……」
その言葉に、私はなんて返せばいいのかわかりませんでした。
「元保育士」というプライドが、私を縛り付けていた
元保育士だった私は、「毎日通うことで環境に慣れる」「幼稚園が楽しい場所だと分かるまでの辛抱」「笑顔で送り出すのが母の役割」……。 そんな「正解」ばかりを頭に並べていました。
子どもはすぐに慣れる。 そう信じて、私は必死でした。
担任の先生からは「朝は泣くけれど、すぐに楽しく遊んでいますよ」と聞き、少しだけホッとしていました。 「ずっと泣いているわけじゃない」「きっとすぐに慣れる」。
だから朝は、なんとか登園に期待を持てるように言葉をかけ続けました。 「緊張しちゃうよね。でも園庭で虫を見つけてみてね」「ブロックで剣を作って、お友達に見せてあげてね」
「今日は休もうか」が言えなかった。怖かった。
体調が悪くない限りは、絶対に休ませてはいけない。そう思っていました。 もし一度でも「今日は休もうか」と言ってしまったら、二度と行けなくなってしまうかも。 そんな恐怖から、私は息子を登園させることに必死になっていました。
お昼寝の時間もなくなり、生活が激変した息子は、毎日ぐったりと疲れていました。 「行きたくない」と言いつつも、抵抗せずにバスに乗る息子。 でも、その表情はいつも暗く、沈んでいました。
「僕は行かなければならないんだ」 そう分かってしまった、諦めたようなその表情を見るのが、本当につらかった。
これでよかったのか? この園は息子に合っていないんじゃないか? 毎日、自問自答の日々。
せめて家では怒るのを控え、息子の話を聞くことに注力しました。 何があったのか聞き出したい気持ちを必死に抑え、ただ目を見て、否定せず、「家は安全な場所だよ」と伝わるように。 休日には息子の行きたい場所へ、どこへでも連れて行きました。
3ヶ月後の安堵、そして突きつけられた「現実」
ようやく慣れてきたのは、入園から3ヶ月が経った頃。 お友達の名前が出てきて、「〇〇したのが楽しかったな」という一言が聞けたとき、私は涙が出るほど嬉しくて、安心しました。
でも。 そんな安心を吹き飛ばす出来事があったんです。
園から届いた「スナップ写真購入のお知らせ」。 ネットで写真を見た瞬間、私は衝撃を受けました。
そこに写る息子の顔は、一枚も、笑っていませんでした。
涙が止まらなかった夜。「ごめんね」と何度も繰り返した
転園して1ヶ月経たない頃の、制作、ダンス、給食、身支度。 どの場面を切り取っても、息子は一度も笑っていませんでした。
涙が止まりませんでした。
こんな思いをしてまで、毎日登園してくれていたんだね。 つらかったよね。嫌だったよね。
「ごめんね」 写真を見ながら、何度も何度も謝りました。
週に1日くらい、休ませてあげればよかった。 バスじゃなく、お迎えにしてあげればよかった。 「慣れるまでの辛抱」なんて言葉で片付けず、あの暗い表情の奥にあるSOSを、もっとちゃんと受け止めてあげればよかった。
結局、その笑っていない期間の写真は、一枚も購入することができませんでした。 見ると、今でも胸が張り裂けそうになるからです。
今、登園渋りに悩んでいるあなたへ
今、登園渋りをしているお子さんを抱えているママ、パパ。 「行きたくない」と言われ続ける毎日は、本当にこちらまでつらいですよね。
お仕事の都合もあると思います。どうしても行かせなきゃいけない事情もあると思います。
でも、振り返ってみて思うんです。 1日くらいお休みして、ゆっくり過ごさせてあげればよかった、と。
もし、今のあなたが過去の私と同じように「休ませてはいけない」と自分を追い詰めているなら。 どうか、1日だけお休みする勇気を持ってみてください。
担任の先生と相談しながら、お子さんにとって、そしてあなたにとって、心が少しでも楽になる方法を一緒に見つけられることを心から願っています。


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